肩こりを改善する簡単なセルフストレッチ

肩こり改善

運動不足による筋肉の固まりがコリの原因

とかく現代人は運動不足になりがちです。車の普及や公共交通の充実などで歩く機会が減っている上に、パソコンやスマートフォンの急速な発達によって、肩や首への負担が増大しています。

特に、スマートフォンによる首への負担は、みなさんが思っている以上に大きなものなんです。日頃から運動をしている方であれば、肩コリや首のコリなどが起きにくいのですが、年々増えているところを見ると、やはり日頃の運動が足りていないことが分かります。

しかし運動不足を気にして、ジムに通ったり、いきなり筋力トレーニングなどを行ってしまうと、逆に症状を悪化させてしまうことをご存知でしょうか?

今回は、肩コリや首のコリに悩む方に向けて、誰でもできる簡単なセルフストレッチの方法をお話しようと思います。

固まった筋肉に急な負荷は厳禁

肩コリや軽い腰痛のある方が、筋肉をつけようとして、腕立て伏せ・腹筋運動などを行う人がいますが、これは返って症状を進行させてしまう恐れがあります。

なぜ良くないのか、その理由を簡単ではありますが解説してみたいと思います。

①腕立て伏せ

腕立て伏せを行うとき、必ず首の後ろに大きな負担がかかります。重い頭を支えなければならないので、このときの負担というのは非常に大きなものです。

筋肉が固くなって強ばっている状態の首や肩に、腕立て伏せで負荷をかけてしまうと、筋肉は余計に凝り固まってしまいます。その結果、症状が改善するどころか、返って悪化させることに繋がります。

②バーベルなどを使った運動

バーベルを持ち上げるときは、台の上に寝ている状態なので、首にも負担がかからないと思う人が多勢います。

しかし、いくら首が浮いていないといっても、バーベルを持ち上げる際に、胸を反らすので、首にはかなり大きな負担がかかっているんです。筋肉が固まっている状態で、このような無理な運動をしてしまうと、腕立て伏せと同様、余計に筋肉が硬くなってしまいます。

結果として、肩コリなどの症状は悪化するということです。

③腹筋運動

筋肉をつけることによってコルセットの役割を果たす、ということから、腰痛改善のために腹筋を行う人が少なくありません。

確かに、腹筋や背筋を強化することで腰痛の予防・改善になりますが、日頃から運動不足の人がいきなり腹筋運動などを行うと、逆効果となってしまいます。

10歳代や20歳代の前半くらいまでであれば、急な運動でも筋肉の回復が早いので、まず問題はありません。しかし、それ以上の年齢で、日頃から運動不足の方である場合、筋トレ後の回復に少々時間がかかります。

結果的に、腰痛を予防・改善のための運動が、症状を悪化させることに繋がってしまいます。

固まった筋肉は先ず柔らかくすることから

運動不足の状態が何年も続くと、筋肉というのは衰えて固くなってしまいます。これが肩コリなどの原因なんです。

固まってしまった筋肉に、急な負荷をかけてしまえば、肩コリや首のコリなどの症状を悪くさせ、さらに治癒しにくい身体になってしまいます。このようなことを防ぐためにも、まずは固まった筋肉を柔らかくすることから始めなければいけません。

そのために必要になってくるのが《ストレッチ》です。毎日ストレッチを行うことで、縮んで固まっていた筋肉が、少しずつ伸びて柔らかく変化していきます。

ほぐれて柔軟性のある筋肉を取り戻すことが出来れば、肩コリや首のコリなどの症状は、ほとんど改善されます。

なので、まずは毎日のストレッチを心がけるようにしましょう。

誰でもできる簡単なセルフストレッチ方法

肩コリに悩んでいる人というのは、肩だけではなく、首や腕、さらに脇腹などの筋肉が固く縮まっていることが多いのです。なので、まずはこの辺りの筋肉をじっくりと伸ばして柔らかく変えていかなければいけません。

そこで、自分で簡単に出来る『肩コリ・首のコリ改善ストレッチ方法』を紹介したいと思うので、ぜひ参考にして頂きたいと思います。

①手首・肘・肩の付け根までを伸ばす

両手の指を組み前に伸ばして、下の画像のように、そのまま頭上に挙げます。このとき、背筋はしっかりと伸ばしたまま行うようにして下さい。

ストレッチ1
ストレッチ1

このストレッチを行うことで、腕全体の筋が伸ばせます。これを1セット10秒、3~5セット行うようにしましょう。

②肩の付け根から二の腕を伸ばす

片腕を伸ばしたまま胸の前に持っていき、空いた片手で内側に引っ張るようにして筋を伸ばします。画像では座って行ってますが、立って伸ばしても構いませんが、背筋を伸ばした状態で行うように注意して下さい。

ストレッチ2
ストレッチ2

このストレッチを行うことで、上腕の外側の筋が伸ばせます。これを1セット10秒、3~5セット行って下さい。左右で均等に行うことが大切です。

③脇腹を伸ばす

片腕を挙げて、もう片方の手で横に引っ張るようにして脇腹の筋を伸ばします。下の画像のように座って行っても、立った状態で行っても構いません。背筋はしっかりと伸ばすようにして下さい。

ストレッチ3
ストレッチ3

このストレッチを行うことで、上半人の側面をしっかりと伸ばすことが出来ます。これを1セット10秒、3~5セットを左右均等に行って下さい。

④首と肩を伸ばす

右手を頭上から左耳を触るような感じで持っていき頭を引っ張ります。立って行っても座って行っても構いません。首を倒す際に、体ごと傾けずに、肩から首の付け根を伸ばす感じで行うことが大切です。

ストレッチ4
ストレッチ4

このストレッチを行うことで、肩と首の筋を伸ばすことができます。これを1セット10秒、3~5セットを左右均等に伸ばして下さい。

⑤脇から二の腕の筋を伸ばす

片腕を頭上から回して手のひらを背中に当てます。空いた片方の手で肘の辺りを持ってゆっくりと引っ張って下さい。これも、立った状態・座った状態のどちらでも構いません。注意点は、背筋を伸ばして行うことです。

ストレッチ5
ストレッチ5

このストレッチを行うことで、二の腕・脇の筋を伸ばすことが出来ます。これを1セット10秒、3~5セット行って下さい。もちろん左右均等に行うことが必須です。

ストレッチは毎日行うことが重要

これら5つのストレッチを、出来れば朝晩、もし無理であれば、夜お風呂から上がったときに行うようにして下さい。

毎日、根気よく続ければ、固く縮まっていた筋肉が伸びて柔軟になり、自然と肩コリや首のコリなどが改善されてきます。筋トレなどをしたい方も、まずは上記のストレッチを習慣付けて、強ばった筋肉を柔らかくすることから始めて下さい。

あとがき

いかがだったでしょうか?

今回は、肩コリなどで困っている方に向けた《セルフストレッチの方法》をお話しました。

筋肉が固く凝った状態になると、肩コリや首のコリだけではなく、猫背になったり、将来的には腰が曲がって杖がないと歩けないようになってしまいます。

歳を取っても、自分の足でキビキビと歩ける元気な身体を維持するように、今から心がけることが何よりも大切なんです。

それでは、今回はこの辺で。