常に私達の身近に存在する『時間』の本当の姿とは

時間

何気なく利用している『時間』を考えてみる

私たちは、普段から《時間》というものを利用し、そして《時間》というものに縛られて生きています。

我々人類は、約束の《時間》、待ち合わせの《時間》、朝起きる《時間》、電車に乗る《時間》など、生きていく上での様々なシーンで《時間》というものを利用しています。ですが、これだけ身近に存在している時間というものを、深く考えてみることなどは、まずほとんどの人が無いはずです。

《時間》というものは、触れることも出来なければ、見ることも出来ません。まさに、その正体は謎だらけだと言えるでしょう。

そこで今回は、《時間》という摩訶不思議な存在について、少し考えてみたいと思います。

時間は全ての人に平等な存在?

私たちは『時間は過去から未来へと同じスピードで流れているもの』と、誰もが認識しています。まさか「時間は未来から過去へ流れているんだよ」という人は、通常ではいないはずです。

『過去から未来へ』という部分に関しては、まず間違い無いと思います。ですが『同じスピードで』ということに関して言えば、答えはNOになってしまうんです。

こんなことを言うと頭の中が「???」となってしまう人もいるかと思いますが、実際に《人によって・環境によって・場所によって》時間の流れ方が変わってくるのをご存じでしょうか?

つまり、その時々の状況によって、時間の流れるスピードというのは、早くなったり遅くなったりするんです。

このことから言えることは『時間は全ての人に平等ではない』ということになります。

アインシュタインが証明した相対性理論

この時間の流れの変化というものは、アインシュタインが発表した特殊相対性理論によって証明されています。

相対性理論なんて言われると「なんだかややこしい話っぽくて面倒だな」と思う方もいるでしょうが、なにも難しいことではないんです。つまり『時間というものは、動いているものは遅く流れる』ということを証明した理論なんです。

少し、具体的に話してみましょう。

①光の速度は常に一定で不変のもの

この世で最も早いスピードで進むものは《光》であり、これは誰でも知っていることです。

さらに、この光のスピードというのは『絶対的に不変のものである』というのを相対性理論では証明しているんです。つまり《秒速30万キロメートル》という光の速度は、何があろうと常に一定だということです。

これが、私たちの身近にある《時間》というものの根本的な概念となります。

②動いていると時間は遅く流れる

光の速度が不変であると証明されたことによって、その他のものは相対的に変化することも証明されたことになります。

そのことによって『動いているものは、止まっているものと比べて時間が遅く進む』ということになるんです。イメージを浮かべやすいように、下の画像を見て下さい。

光時計
光時計

上記の画像にある矢印は『光』を表しています。上下にミラーが付いていて、片道で1秒間かかる『光時計』と思って下さい。イメージとしては『光時計は光の80%の速さで飛ぶジェット機の中にあり、自分は外からそれを見ている』といった状況です。

ジェット機が静止している状態であれば、光時計を機内から見ようと外から見ようと、片道1秒間の光の速度は変わりません。

しかし、ジェット機が左から右へと光の80%の速さで飛ぶと、止まっている自分から見れば、光が右へと流れながら上に進んでいきます。この移動距離の分が時間のズレを引き起こさせるんです。

例えば、ジェット機の速度が光の70%であった場合では、光時計の到達時間は1.4秒間になってしまいます。

つまり、光の速さに近ければ近いほど、時間のズレは大きくなっていき、結果として、時間が遅く流れてしまうことになるんです。

③時間のズレの具体的な計算式

計算式などというと、かなり面倒な説明になるかと思いますが、全く難しいことではありません。

つまり、②で話した時間のズレは下の画像のような形で表すことができるんです。

ピタゴラスの定理
ピタゴラスの定理

この計算は、かの有名なピタゴラスの定理というものです。画像でイメージとして表現すると、これが意外にも簡単に見えるかと思います。

縦の移動にプラスして、横への移動距離があるので、光の速度が一定という不変の法則がある限り、時間のズレは必ず生じることになります。時間というものは、私たちが持っている固定観念を一旦捨ててしまわないと、理解できない存在とも言えますね。

タイムマシンは実現するのか

アインシュタインの相対性理論によると、時間旅行は理論上は可能となっています。これは、同じ相対性理論でも《一般相対性理論》となり、ここまで話してきた特殊相対性理論からレベルアップしたものと考えて下さい。

一般相対性理論では、この世は全て《時空間》によって成り立っており、重量に比例して時空間の歪みが大きくなったり小さくなったりしているのです。つまり、宇宙空間で最も大きな質量を持つブラックホールを利用すれば、タイムマシンは可能だということになります。

ただ、あくまでも《理論上》のことであって、物理的に可能なのかというと、現段階では無理に等しいと言えますね。

時空間移動の話については、当ブログの記事『四次元空間である《時間》の旅は実現可能!?』で触れているので、興味のある方は、ぜひ読んでいただきたいと思います。

あとがき

今回は、時間について話してみましたが、いかがだったでしょうか?

時間というものについて、普段はあまり深く考えることが無いと思いますが、こうやって時間というものを見てみると、不可思議なものだというのが理解できると思います。

『時は金なり』とも言います。

ときには、時間という不思議な存在を考えてみることで、『時間の大切さ』を改めて認識できれば、と思います。

それでは、今回はこの辺で。